研究課題
基盤研究(C)
我々は新規発現遺伝子を見つけだすために人の前立腺癌組織よりAcid-Guanidinium-Thiocyanate-Phenol-Chloroform (AGPC)法によってtotal RNAを抽出し、異なる条件下の細胞で発現しているpoly (A) tailを持つmRNAの差異を見つけるためにDifferential Display (DD)法を行い、次に蛍光イメージアナライザーにて解析、300bp以上の癌特異的で差異の強いバンド96個を切り出した。これらをさらに分離、精製してその内の18サンプルを、pGEM-TEasy VectorにTA-Cloningし、ゲノムDNAシークエンスより得られた結果をジーンバンクのデータと比較、検索を行った。シークエンスより得られた遺伝子配列よりプローブを設計し、我々が作成したcDNAライブラリーのオリゴヌクレオチドプローブを用いたハイブリダイゼーションによるスクーニングも行った。遣伝子のクローニングをしたうちの1サンプルが、Human Lactoferin mRAN (Accession No. M93150)2360bpの3'末端に近い361bpと同一であることが確認された。また、他の臨床検体に対するLactoferinの発現の有無を確認するため、ノーザンハイブリダイゼーションおよびRT-PCRを行った。この結果、正常組織においての同遺伝子の発現は、骨格筋、胸腺、脾臓、肝臓、肺、骨髄、乳腺、前立腺、胃、気管に見られた。RT-PCR解析では、前立腺癌10例中5例に発現が認められた。前立腺癌でのLactoferin発現には個体差がありLactoferin発現は一様ではないことが示唆された。現在、臨床情報と対照して意義を検討中である。
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