研究課題/領域番号 |
11671582
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
大東 貴志 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (80185371)
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研究分担者 |
中島 淳 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (10167546)
大家 基嗣 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (00213885)
矢崎 貴仁 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (80200484)
村井 勝 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90101956)
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キーワード | 膀胱癌 / ウィルス治療 / ヘルペスウィルス / 腫瘍特異的 |
研究概要 |
昨年までの研究では、変異単純ヘルペスウィルス(HSV)であるG207が膀胱癌細胞に対してin vitro、in vivoで殺細胞効果を持つことを示した。本年度は主にG207の全身投与における投与経路の検討と尿路上皮特異的プロモーターを用いた組織特異的攻撃性を持ったウィルス癌治療の確立に向けた検討を行った。まず雌性ヌードマウスの皮下に膀胱癌細胞を移植し腫瘍形成後G207を尾静脈より投与したところ著明な腫瘍増殖抑制効果が得られた。X-Galによる染色では移植腫瘍部分にウィルスが増殖していることが示されたが、他の臓器では染色は見られなかった。ヒトへの全身投与を考慮した場合、上記の結果から正常臓器に対する副作用は少ないと考えるが、骨髄細胞等の増殖が盛んな組織への影響も否定できないため、尿路上皮に特異的に作用する変異HSVの作製を試みた。尿路上皮特異的プロモーターとしてマウスuroplakin2(UP2)に着目し、プロモーター領域を含む3.6kbの部分をマウスゲノムライブラリーより増幅した。この部分をGFP発現ベクターの上流に挿入し、マウス膀胱癌細胞株であるMBT-2に遺伝子導入したところGFPの発現が認められた。今後はDNA plasmid pHS deltatkLにUP2プロモーターとその下流にICP4遺伝子をを組み込み、ICP deletion mutant HSVより抽出したDNAとcomplimenting cellにco-transfectionすることによりUP2 promotor-ICP4を持つHSVを構築する予定である。
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