研究課題/領域番号 |
11671587
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 孝治 金沢医科大学, 医学部, 教授 (70064615)
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研究分担者 |
森山 学 金沢医科大学, 医学部, 助手 (50278131)
川村 研二 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40224852)
宮澤 克人 金沢医科大学, 医学部, 講師 (60219772)
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キーワード | 蓚酸カルシウム / crystal matrix protein / プトロンビン / 結石形成ラット / 結晶凝集阻止作用 / 遺伝子導入 |
研究概要 |
再発性蓚酸カルシウム結晶擬集の主たる阻止物質はcrystalmatrixprotein(CMP)とヘパラン硫酸である。これまでの研究ででCMPはプロトロンビンのactivationpeptideであることが判明した。ヒトおよびラット腎においてこのプロトロンビン関連蛋白が検討されたことはなく、その具体的性質、性状などは不明である。 本研究の目的はプロトロンビン遺伝子導入実験動物を作成するに当たって、まず1)プロトロビン遺伝子が腎において結石形成と関連していかに発現するかを解明すること、2)腎プロトロンビンの構造解析を実施すること、にある。 本年度の研究実績 プロトロンビンmRNAはヒト腎poly(A)RNA、ヒト腎とcDNAlibraryおよび手術時得られたヒト腎組織からその発現をすべての対象において確認した。ラット腎においてプロトロンビンmRMの発現を確認でき、結石形成ラット腎では発現量は増加していた。これまで、ヒトおよびラット腎においてプロトロンビンの発現はないとされてきたが、今回の研究によってはじめて発現が確認できた。 ヒト腎cDNAlibraryの核酸配列を肝由来プロトロンビンcDNA、ゲノムcDNAと比較した結果、3カ所で変異を発見した。cDNA(position475)は異なったアミノ酸を産生すると考えられた(NtoT)。プロトロンビンの多型についても検討した結果、これまでに報告されている多型を確認したが、結石症との関連性は明らかではなかった。 今後、結石形成ラットにプロトロンビン遺伝子を導入することによってプロトロンビンの結石形成に対する作用がより詳細に検討できると考える。
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