研究課題/領域番号 |
11671590
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
玉置 知子 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (10172868)
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研究分担者 |
古山 順一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30068431)
森 義則 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (80131598)
島 博基 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90104257)
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キーワード | 前立腺癌 / 分化誘導 / レチノイン酸 / sodium butyrate / アポトーシス |
研究概要 |
前立腺癌培養細胞株を、分化誘導薬剤であるレチノイン酸、sodium butyrate(SB)で処理し、細胞障害を検討した。レチノイン酸ではほとんど効果がみられなかったが、低濃度のSBは細胞増殖を著明に阻害し、高濃度ではほとんどの細胞がapoptosisをおこした。apoptosisをおこす濃度は、細胞株によって一定ではないが、androgen dependent株のほうがむしろSBに感受性が高かった。この点から、SBの作用機作はandrogen dependencyと関連しないことが判明した。SBは多くの癌細胞に対して細胞増殖阻止、apoptosisをひきおこし、ヌードマウスに移植した腫瘍においても著明な増殖阻止を起こすが、マウスに対する副作用が認めらず、この点でも通常の抗癌剤と異なる。この機構を解明するため、正常皮膚線維芽細胞に対してSB処理を行いその効果を観察した。線維芽細胞は前立腺癌細胞がすべて死滅する高濃度の処理でも、細胞増殖は抑制されたもののapoptosisをおこさず、癌細胞とは異なった反応を示した。その理由はあきらかでは無く、今後検討を要する。また前立腺癌細胞において細胞増殖抑制がかかるSB濃度では、p21^<waf1>発現の誘導が顕著に認められた。この誘導は転写レベルでおこったことがレポーター遺伝子を用いた実験で明らかとなった。
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