研究概要 |
本研究はProlactin(PRL)-releasing peptide(PrRP)の卵巣機能に及ぼす作用機序を解明する目的で進められている.今回は平成12年度でのIn vivoおよびIn vitroでの不足基礎研究の追加と単層培養を中心にして各発育段階にある卵巣細胞レベルでの検討を行い,充分な基礎研究の後,ラットとインフォームド・コンセントを得たヒトでのIn vivoおよびIn vitroでの解明にとりかかった.まづ,PrRPの卵巣に於ける存在とその受容体を明らかにした.さらに,PrRPの卵胞の発育と成熟,排卵および黄体期の血中濃度を決定した.PrRPの卵胞の発育と成熟,排卵および黄体の形成と退行期に果たす役割を,In vivoないし各時期に採取したラット卵巣細胞のIn vitro培養液にPrRPを投与することによって各ステロイド産生能,ERAANPS,Adenylate cyclase系,Cyclic nucleotides,Calcium channel,Insulin-like growth factor,卵巣細胞内Voltageに及ぼす影響,PTP,MAP kinases,Programmed cell death,DNA合成系および遺伝子レベルから検討した.同時に,PrRPのLH,FSH,PRL,PACAP,GHおよびVIP作用に及ぼす影響についても検討を行った.PrRPは卵巣機能に重要な影響を及ぼしているおり,われわれが先に提唱したERAANPSやGonadotropinsと深く関わり,Steroidogenesis,DNA合成系などの卵巣機能調節に深く関わっていることが明らかにされてきている。実験は概略的には計画的に進んでいる.
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