研究課題/領域番号 |
11671602
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
生水 真紀夫 金沢大学, 医学部・附属病院, 助教授 (30226302)
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研究分担者 |
瀬川 智也 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (40301197)
小池 浩司 金沢大学, 医学部, 助教授 (70225340)
井上 正樹 金沢大学, 医学部, 教授 (10127186)
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キーワード | アロマターゼ / 子宮筋腫 / プロモーター / 転写制御 / エストロゲン |
研究概要 |
定量的RT-PCR法によりアロマターゼのmRNAを測定し、子宮筋腫組織では周囲の子宮筋組織に比較して10-20倍量のアロマターゼmRNAが発現していることがを明らかにした。また、子宮筋腫におけるアロマターゼの過剰発現は、Western blottin法およびアロマターゼ活性測定によっても確認することができた。さらに免疫組織学的に、アロマターゼ発現細胞は、子宮筋細胞そのものであることを明らかにした。培養子宮筋腫細胞を用いた検討により、生理的な血中濃度のアンドロゲンを原料として子宮筋腫細胞がエストロゲンを合成し得ること、合成されたエストロゲンがイントロクライン的に作用して自己の細胞増殖を効率的に促進することを証明した。子宮筋腫細胞を培養するとアロマターゼの発現量は、正常子宮筋細胞を培養した場合の発現量と同じ値まで低下した。さらに培養細胞に種々の因子を添加してアロマターゼの発現量の増加の程度を比較したところ、子宮筋腫由来細胞と正常筋由来細胞との間に差は見られなかった。したがって、in vivoでみられる子宮筋腫でのアロマターゼ発現の亢進は、何らかの発現促進因子の存在によってもたらされているものと考えられた。このことは、子宮筋ホモジネートを培養子宮筋細胞に添加するとアロマターゼの発現が亢進することからも確認された。 5'RACE法及びexon I特異的定量的RT-PCR法により、子宮筋腫細胞でのアロマターゼの発現プロモーターをI.4と同定した。このプロモーターの発現には、GRが関与していることをトランスフェクションにより明らかにした。GnRH療法を受けた患者の子宮筋腫組織ではアロマターゼ発現量が著しく低下していることを見出したが、この際GnRH analogueは子宮筋細胞に直接作用しGRの転写促進効果を抑止することによりアロマターゼ発現を低下させていることを明らかにした。
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