死産児、新生児死亡の病理解剖組織標本を神経病理学的、あるいは組織免疫学的に調べ、その児の臨床経過と対比させて、虚血-再還流による脳細胞障害の部位と程度について検討した。フリーラジカルによって産生される代表的な脂質過酸化物である4-hydroxy-2-noneal-protein(HNE)は、細胞内蛋白と結合し蛋白機能を障害することが明らかにされている。そこで死産児、新生児死亡の抗HNE-proteinおよびによる免疫組織染色を行い、発現を検討したところ、小脳、橋、海馬の神経細胞に発現が認められ、さらに脳虚血時に認められるpontosubicular neuron necrosisに陥っている細胞にその発現が強く認められた。
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