研究概要 |
婦人科癌制圧のため、新しい療法の開発が要望される。我々はGene Therapy Treatment Strategyのなかで最も臨床応用が期待できるmolecular chemotherapyを目指し基礎実験を行った。本年度は各種抗癌剤pro-drug代謝酵素の内、carboxylesteraseに注目した。理由は本酵素は(1)婦人科癌に有効なCPT-11の活性化に働く。(2)加水分解可能な有機鎖を有効抗癌剤に付加し、人工的に作成したpro-drugを本Strategyに利用できることによる。 Human carboxylesterase(Hu-CE)はヒト白血病細胞K562細胞より抽出したRNAより、Rabbit carboxylesterase(Ra-CE)はラッビト肝より抽出したRNAより各々RT-PCRにより作成し(1.7kb)、sequence後、EcoRl-Notl siteにて発現ベクターpCMV2a(frag-tag)に挿入した。次にcarboxylesteraseの活性中心を推定するためにも、Hu-CEとRa-CEのキメラ遺伝子を3種追加作成し、発現ベクターpCMV2a(frag-tag)に挿入した。キメラ用#1:Ra-CE(a.a.1-480)+Hu-CE(a.a.481-567),キメラ#2:Ra-CE(a.a.1-304)+Hu-CE(a.a.305-567),キメラ#3:Ra-CE(a.a.1-120)+Hu-CE(a.a.121-567)である。現在、これらベクターをCHO細胞に導入中であり、stable transfectantを得た後CPT-11感受性を検討する。次に卵巣癌株K2及びそのSN38耐性株にも5種類のベクターを導入し薬剤感受性の変化を検討する。
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