研究課題/領域番号 |
11671612
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
樋口 壽宏 京都大学, 医学研究科, 助手 (00283614)
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研究分担者 |
藤田 潤 京都大学, 医学研究科, 教授 (50173430)
藤原 浩 京都大学, 医学研究科, 講師 (30252456)
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キーワード | 絨毛 / マウス単クローン抗体 / 着床 / 胎盤形成 / 浸潤 |
研究概要 |
着床後、胚由来の絨毛細胞は絨毛上皮を構成するVillous trophoblast(VT)と、絨毛の先端部から母体脱落膜へ向かい最終的には子宮筋層にまで浸潤するExtravillous trophoblast(EVT)の2つの経路に分化する。現在確認されているEVTの機能として浸潤能が挙げられるが、その様式は癌細胞浸潤と類似していることが近年指摘されつつあるものの、EVTの浸潤は子宮筋層の1/3までに留まっており、子宮血管内への浸潤も含めその停止機構は未だ解明に至っていない。このEVTの機能とその制御機構の解明は、妊娠初期の着床障害から中期以降の周産期疾患の病態解析に大きく貢献すると考えられる。本研究は、EVTに特異的に発現する分子を同定してその分化経路や分化制御機構を明らかにすると共に、得られた分子の情報を元に新しいEVTの機能を解明することをその目的とした。 EVTを含むヒト絨毛膜細胞をBALB/cマウスに免疫してEVTに特異的に反応する単クローン抗体を免疫組織染色法により選別した。得られたマウス単クローン抗体のEVTにおける発現様式を免疫組織学的に検討した結果、EVTが母体側に浸潤するに従い異なる分子を発現し、EVTの分化に関連している可能性が示唆された。これらのマウス単クローン抗体の認識抗原を部分アミノ酸配列解析・cDNAパニング法により解析した結果、細胞骨格・細胞接着に重要な役割を果たすことが知られている既知の分子に加え、部分アミノ酸配列では未知の分子がEVTにおいて発現していることが明らかになった。この未知の分子(clone 5-23)に関しては現在その蛋白情報を含めて解析中である。 以上、本研究によりEVTが母体に浸潤しその浸潤能が停止する過程において複数の分子を発現することが明らかになった。今後得られた分子のEVTにおける生理学的意義を検討することによりEVTの浸潤停止機構の解明を行う予定である。
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