研究課題/領域番号 |
11671626
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
加来 恒壽 九州大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (60185717)
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研究分担者 |
園田 顕三 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30294929)
坂井 邦裕 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70264033)
小林 裕明 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70260700)
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キーワード | 血管新生 / 婦人科悪性腫瘍 / 卵巣癌 / 子宮剄癌 / 扁平上皮癌 / 微小血管密度 / CD34 |
研究概要 |
卵巣癌108症例についてCD34抗原の免疫染色を行い血管内皮を染色して微小血管を同定し、200倍1視野当たりの微小血管数および微小血管密度を算出し、微小血管密度とさらに腫瘍周囲の微小血管の囲い込み像(vascular cuffing)について臨床事項および予後との関連について解析した。微小血管密度は1視野当たり21から244個で平均92個であり、5年生存率との関連は認められなかったが、腫瘍胞巣の周囲の微小血管の囲い込み像が全周性のものを完全型(complete)31例、一部のものを不完全型(incomplete)43例、囲い込みのないもの(none)34例の3型に分類すると完全型は不完全型および囲い込みのない型に比べ5年生存率が有意に良好であった。これらの結果から抗癌剤など薬剤の腫瘍への移行に血管新生が関与している可能性が示唆された。また子宮剄部扁平上皮癌では腫瘍周囲の微小血管の囲い込み像(vascular cuffing)が完全型のものが予後不良であり、微小血管密度とともに予後と関連していることが明らかとなり、これらの成果を誌上に発表した。婦人科腫瘍において発生部位により血管新生の腫瘍の発育・進展への関わりが異なることが示唆された。これらの研究のため多数のHE染色標本、免疫染色標本の解析行うために光学顕微鏡が備品として必要であった。
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