研究課題/領域番号 |
11671628
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佐藤 昌司 九州大学, 医学部・附属病院, 講師 (00225947)
|
研究分担者 |
永田 秀昭 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (70253408)
月森 清巳 九州大学, 医学部・附属病院, 講師 (90253450)
中野 仁雄 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40038766)
福嶋 恒太郎 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (40304779)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
キーワード | ヒト胎児 / 生物時計 / レム睡眠・ノンレム睡眠 / 日内変動 / 眼球運動 / 心拍数変動 / コルチゾール |
研究概要 |
ヒト胎児の眼球運動及び心拍数変動を観察し、両者の日内リズムの特性と相互の関係について検討を行った。 対象は母親より同意を得た妊娠末期の正常ヒト胎児5例とし、観察は食事時間を除く16時から翌日16時までの連続24時間行った。眼球運動の観察には超音波電子スキャンを、心拍数の計測には超音波ドプラ法による胎児心拍数計を使用した。 1分間を単位時間として眼球運動の頻度、心拍数の平均値を求め、時系列データを作成した。これらのデータを最大エントロピー法によるスペクトル解析を用いて、次の通り処理を行った。眼球運動の解析には、1分間に1回以上の運動が観察される場合に1、観察されない場合に0の値を割り当て、1と0に2値化した時系列データを用いた。 (1)24時間全体の時系列データをスペクトル解析し、得られた周期のうち最長周期の頂位位相、パワーを求めた。 (2)24時間時系列データの中で、3時間を1つのスペクトル解析の単位(セグメント)とし、観察開始時刻から15分ずつずらしながら85個のセグメントを作成した。それぞれのセグメントについて、スペクトル解析を行ない、各区間のべきスペクトルの傾きを求めた。 (1)の結果眼球運動のパワーが大きな3例は、16:48-22:30に頂位位相が存在した。症例毎に見ると眼球運動のパワーが大きな症例では、眼球運動と心拍数変動の頂位位相は近接しており、両者は同期していると考えられた。 (2)の結果、5例中4例において眼球運動および心拍数変動のべきスペクトルの傾きが、昼間大きく、夜間小さいパターンをとった。また、両指標は同様な変動パターンを示した。 以上の成績から、眼球運動と心拍数変動という制御機構の異なる生理現象が同期しつつ日内リズムを刻む様を捉えることができた。このようなリズムの同期性は、両者を統合する共通の中枢が機能を発現していると解することができる。
|