エチレングリコールを用いたVitrification(ガラス化法)により卵巣組織の凍結を行い、融解後の卵胞卵子の生存性および体外培養での成熟について検討した。B6D2F1雌マウスにPMSG5IU投与し、48時間後卵巣を摘出し、半切した後EFS 10(10% ethylene g!ycol + 27%Ficoll + 0.45M sucrose in PBl)25℃にて15min処理し次いでEFS20(20%ethylene glycol + 24% Ficoll + 0.4M sucrose in PBl)4℃にて15min処理。最後にEFS40(40% ethylene glycol + 18% Ficoll + 0.3M sucrose in PBl)4℃にて5min処理後、凍結チューブに入れ、直ちに液体窒素中に保存した。解凍は凍結チューブを液体窒素から出し、室温30秒後、EFS20液中4℃にて10min、次いでEFS10液中25℃にて10min、最後に0.5M Sucrose in PBl液中25℃にて10min処理した。次いでm-HTF + 5%FBS + 0.25mM dbcAMP培養液に移しその卵巣組織から27ゲージ針を用いて卵子を取り出した。それで得た卵子をWaymouth MB752/1 + 5%FBS + 7mM taurine + 0.23mM Na-pyruvate培養液中で17〜24時間培養した。凍結・融解後の卵胞卵子を培養した結果、卵丘細胞で被われだ卵子(CEO)と被われていない卵子(DO)でそれぞれ88%、79%の卵がMI期まで発生した。また、MII期へ成熟した卵は、46%、82%であった。MII期へ成熟した卵を用いて体外受精を行った結果、受精率は53〜56%だったが、新鮮GV期卵を培養して得られたMII期卵の受精率(84.3%)より低率であった。
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