先行研究において解明されたとうり、28kDaタンパク(28kDa-ODP)のアミノ酸配列に従って、DNA配列を推定した。同タンパクはcalcium-binding protein MRP8と構造上同一である。MRP8のDNAプローブはすでに合成し、in situ hybridization法によって遺伝子発現部位は検索した。今年度は、MRP14のDNAを構造推定し、ビオチン化オリゴヌクレオチドDNAを合成した。次に、目的とするDNA/RNAの量と質に関する基本的な情報を得るために、in vitroのフィルター・ハイブリダイゼーションを、Southern(1975)によって開発された方法に従って実施した。妊娠各期の胎盤組織/各種培養がん細胞/実験動物胚組織を出発材料として、DNAを調製している。これらの内、ヒトの組織/細胞は、石渡勇博士(石渡産婦人科病院院長・慶応大学客員講師)から供与された。DNAをアガロースゲル電気泳動し、これをサザン・ブロティングしてハイブリダイゼーションさせた。一方、同様にRNAを調製し、ノザン・ハイブリダイゼーションによって、RNAを検出、これもアガロースゲル電気泳動の後、ノザン・ブロティングしてハイブリダイゼーションを実施している。いずれも非放射性プローブによるフィルター・ハイブリダイゼーション法を使用する。現在、目的とする組織/細胞における28kDa-ODPとMRP8およびMRP14のin situ localizationの情報を得つつある。
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