研究課題/領域番号 |
11671649
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
久慈 直昭 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80169987)
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研究分担者 |
赤川 公朗 杏林大学, 医学部, 教授 (80129303)
吉村 泰典 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (10129736)
田中 宏明 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40266565)
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キーワード | 卵子 / 精子 / 精巣 / 開口放出 / シンタキシン / VAMP |
研究概要 |
我々は、齧歯類およびヒト生殖細胞系列において開口分泌関連蛋白(syntaxinおよびVAMP,vesicle associated membrane protein)の発現について、平成11年度より研究業績として報告してきたが、本年度(平成12年度)はマウス卵におけるsyntaxinの機能解析を試みた。1.(受精前後のsyntaxinの抗原性の変化)マウス卵において、すでに存在の確認されているsyntaxin4の受精前後での局在の変化を、表層顆粒との蛍光二重染色により検討した。未受精卵子(M2期卵)では極体の対側の表層顆粒が存在する領域の卵細胞膜およびその直下の卵細胞質にsyntaxinが存在したが、受精卵(前核期卵)では表層顆粒の消失に伴いsyntaxinは卵細胞膜上に主に認められ表層顆粒に一致した偏在が消失し卵細胞膜状に一様に分布した。この結果より、受精現象における卵細胞の表層反応の過程にsyntaxinが関与する可能性が示唆された。2.(表層反応の時間経過とsyntaxinの卵細胞内局在の関係)Caイオノフォアにより人工的卵子活性化を誘起し、表層反応の時間経過とsyntaxinの局在を免疫組織化学(蛍光二重染色)にて検討した結果、Caイオノフォア処理後約30分後にsyntaxinの卵細胞膜上の存在が確認され60分後には卵細胞質内に存在した。表層顆粒は処理後約60後には卵表層より消失した。このことより、表層反応による表層顆粒の消失に先立ちsyntaxinの局在の変化が生じる可能性が示唆された。今後、Syntaxinの阻害物質であるボツリヌス毒素の卵細胞質内への微量注入前後のsyntaxinの局在の変化と表層反応の経時的変化を検討し、syntaxinの卵細胞における機能解析を行っていく予定である。
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