子宮頚癌の99.7%にHuman papillomavirus(HPV)DNAが検出され、頚癌の発癌にHPVが密接に関連していることが明らかとなっている。HPV陽性子宮頚癌細胞ではHPVウイルス蛋白E6とE7が常に発現しているため、このE6/E7蛋白あるいはそのペプチドを癌抗原として特異的癌免疫療法に応用できる可能性がある。しかしこれまでのところヒトにおいてはE7ペプチドだけでは十分なCTLを誘導できず、有効なImmune Adjuvant(IA)が必要であると思われる。我々はヒト樹状細胞(DC)をIAとしてE7ペプチドあるいは蛋白による特異的CTLが誘導できるかどうかを検討した。 インフォームドコンセントを得て採血を行ない、Sallustoの方法に従って末梢血液からGM-CSFとIL-4存在下で培養し樹状細胞を得た。Biomagnetic separation beadsを用いて選択的にCD8陽性細胞を採取した。DC(1x10^6/well)にHPV-16E7ペプチドあるいはE6/E7蛋白で刺激後CD8陽性T細胞(5x10^6/well)とともに培養した。CTLの特異性はT2細胞あるいはDCをTargetとしたCytokine Release Assayで判定した。CD8陽性細胞の選択性はあらかじめFACS検査によって95%の陽性率(5%はCD4+T cellの混入)を確認した。この方法により自己樹状細胞を使用してペプチドおよびE6/E7蛋白の両者において特異的CTLを誘導できることが判明した。 免疫反応の開始にはCD4+Helper T cellが重要であることが明らかとなっているが、自己樹状細胞を利用することによりE7ペプチドのみならず、蛋白においても特異的CTLが誘導できることが判明した。
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