研究概要 |
子宮体癌株Ishikawaよりcis-platinumに耐性なISIW+株をclonal selection法で分離した。Ishikawa, ISIW+は染色体数がそれぞれ68と70(mode)であり、G0/G1=47.1,58.0%,S=35.1,29.7%,G2/M=17.8,12.2%であった。増殖の倍加時間は22.1±2.8,32.3±4.2hrでISIW+で有意に延長していた(p<0.003)。両株を500pg/mlのCDDPで処理し、CB-17/Icr-scid Jclマウスに腹腔内投与したところ、ISIW+のみ死亡した(50%生存期間=33日)。このISIW+株では、MTPIF分泌がIshikawaに比較して約100倍高い。またISIW+ではSteroid and xenobiotic receptor(SXR)の発現が高くこのSXRのmRNAに対するantisense cDNA(AS)を作成し、その増殖、SXR発現ならびにMTPIF分泌に与える影響を検討した。その結果ASは増殖は変化させず、SXR発現を抑制した。またMTPIFの分泌を抑制した。このことからISIW+から分泌されるMITPFはSXRの調節下にあることが示唆された。現在MTPIFの分離精製においては十分な成果が得られていない。したがってbioassayを行っている。
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