研究課題/領域番号 |
11671655
|
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
米山 芳雄 日本医科大学, 医学部, 講師 (00201096)
|
研究分担者 |
鈴木 俊治 日本医科大学, 医学部, 助手 (80291722)
澤 倫太郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (30267174)
|
キーワード | 胎児 / アデノシン / TNF-α / エンドトキシン / lipopolysaccharide |
研究概要 |
アデノシンのtumor necrosis factor-α(TNF-α)産生抑制作用が注目されている。今回この調節機構に着目し、子宮内感染における胎児アデノシンとTNF-α 産生機構を検討した。本年は以下の研究実績を得た。 (1)子宮内感染モデルにおける胎仔アデノシンおよびTNF-α産生の検討 1.ヒツジ胎仔慢性実験モデルの作成 妊娠125日前後の妊娠ヒツジ母獣の大腿動静脈、羊水腔および胎仔の頚動静脈および大腿静脈にカテーテル類を装着しヒツジ胎仔慢性実験モデルを作成した。 2.胎仔子宮内感染モデルの作成およびアデノシン、TNF-α濃度の測定 術後7日目に母獣大腿静脈、羊水中に大腸菌由来lipopolysaccharide(O111:B4)を投与し、子宮内感染モデルを作成し、胎仔血中、羊水中のアデノシンおよびTNF-α濃度の変化を検討した。その結果胎仔血中、羊水中のアデノシン濃度は増加するが、TNF-α濃度は一定であることが判明した。 (2)胎仔アデノシンのTNF-α産生調節機構の検討 1.アデノシンagonist投与によるTNF-α産生の変化の検討 子宮内感染モデルにおいてアデノシンのagonistを投与し、TNF-α産生の変化を測定した。その結果アデノシンのagonistを投与するとTNF-α産生は抑制された。 2.アデノシンantagonist投与によるTNF-α産生の変化の検討 子宮内感染モデルにおいてアデノシンのantagonistを投与し、TNF-α産生の変化を測定した。その結果、antagonistを投与後するとTNF-α産生は増加した。 以上よりアデノシンはTNF-α産生調節機構において中心的役割を担うことが判明した。
|