研究課題/領域番号 |
11671664
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
江本 精 福岡大学, 医学部, 講師 (80258540)
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研究分担者 |
本庄 考 福岡大学, 医学部, 助手 (20299564)
大島 孝一 福岡大学, 医学部, 助教授 (50203766)
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キーワード | 血管新生 / 癌肉腫 / 子宮 / TNP-470 / 血管新生阻害剤 / VEGF / 超音波カラードプラ / 微小血管密度 |
研究概要 |
目的:子宮肉腫は子宮癌のなかで最も予後不良な腫瘍であり、既存の化学療法や放射線療法はほとんど無効である。したがって、新しい治療戦略として注目されている血管新生抑制療法が期待される。本研究では、子宮肉腫に対する血管新生阻害剤の有用性を調べるためにin vitro及びin vivoの基礎実験を行なった。我々が既に樹立した子宮癌肉腫のFU-MMT-1株を用い、血管新生阻害剤はTNP-470(Takeda)を使用し、その増殖抑制能および血管新生抑制能を調べた。 結果:1)MTT assayにて、TNP-470は対照群と比較して、0.1ng/ml以上の濃度でFU-MMT-1細胞の増殖を有意に抑制した。その最大値は、100ng/ml使用の際に32%となった。2)ELISA法(R&D System)にて調べた結果、TNP-470は対照群と比較して、0.1ng/ml以上の濃度でVEGF産生能を有意に抑制した。3)TNP-470投与群は、VEGF発現の低下が免疫組織化学的にも示された。4)FU-MMT-1株の移植腫瘍を用いた実験においても,TNP-470は、対照群と比較してFU-MMT-1細胞の増殖を有意に抑制した。しかし、LSAB法による微小血管密度測定(CD-34抗体使用)では有意な差は認められなかった。5)超音波カラードプラー法にて腫瘍の増殖能を画像的に評価した結果、TNP-470の増殖抑制効果が認められた。 結論:新しい血管新生阻害剤であるTNP-470は、子宮癌肉腫に対して増殖抑制能および血管新生抑制能を示した。
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