IgE産生はInterleukin-4とT細胞上のCD40Ligandの2つのシグナルによってB細胞から誘導され、Interferon-γ(IFN-γ)、IL-12にて抑制的に働くことが証明されている。結核菌(BCG)由来のDNA、MY-1はIFN-γ誘導が高いことが判明している。そこで各種濃度のMY-1をIgE産生系に添加し、IgEの産生を抑制するかどうか検討した。その結果、MY-1の濃度上昇に伴いIgEの産生が有意に抑制された。IgEの抑制率は症例によりばらつきは認められたが、80%の症例において50μg/mlのMY-1濃度で有意にIgE産生抑制が認められた。培養した後の培養上清中のIFNγは亢進していた。抗IFNγ抗体と抗IL-12抗体の添加は、MY-1のIgE産生抑制を部分的に解除させた。 MY-1の構成成分を断片化することにより、6塩基からなる30塩基のDNAがIFNγをもっとも産生させることが判明した。そこで、この30塩基の単鎖DNAを出発点にし、それぞれの塩基配列部分を少しずつ変更することによって、もっともIgE産生を抑制する合成DNAを決定した。その結果、IgE産生抑制においては活性中心の6塩基が人工的に合成したCGTACGパリインドローム構造では効果的ではあったが、パリインドローム構造を崩したCGTTCGの構造がもっともIgE産生を抑制することが判明した。
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