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2001 年度 実績報告書

脳内の外界ベクトルによる動作制御の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11671682
研究機関東海大学

研究代表者

高橋 正紘  東海大学, 医学部, 教授 (30051832)

研究分担者 飯田 政弘  東海大学, 医学部, 助教授 (80184357)
キーワードコリオリ刺激 / トレーニング / 起立 / 人工重力 / 制御理論
研究概要

コリオリ刺激の反復が起立姿勢に与える影響を調べるために、以下の実験を行った。
回転椅子を改造した回転起立台を用い、健康な若年被験者20名を10名ずつ裸眼と閉眼の2群に分けた。第1日には50度/秒の回転から20度/秒毎に速度を上げてゆき、コリオリ刺激(頭部の前屈と直立)で起立可能な速度の上限を求めた。その後、起立上限速度で20分間のコリオリ刺激を与え、第2日からは前日よりも20度/秒速い速度で同様に刺激を反復した。右回転で起立上限速度が200度/秒に達するまで、最長9日間のトレーニングを実施した。第10日には他群の視覚条件で、第11日には左回転で、それぞれ起立上限速度を調べた。
起立上限速度の平均は、第1日の裸眼群と閉眼群でそれぞれ84度/秒と57度/秒、最終の第9日で193度/秒と186度/秒であった。トレーニング早期の3日間を除き、両郡に有意の差はなかった。裸眼でトレーニングした群は閉眼で有意の低下が見られたが、閉眼でトレーニングした群は裸眼で変化が見られなかった。回転方向を逆転した条件では、両群共にトレーニング前の起立上限速度の値を示した。一方、早期に200度/秒に達した8名で行った側方傾斜の刺激(方向の異なるコリオリ刺激)では、トレーニング効果が維持され、高い起立上限速度が観察された。
以上の結果から、コリオリ刺激に対する起立向上は、特定方向の揺らぎの減少によるのではなく、空間識のreference frameが回転空間に移行した結果と解釈される。また、この適応過程には外界視覚情報が無関係であることが結論された。宇宙空間でステーションを回転させる人工重力の環境においても、極めて短期間に空間識が適応することを示唆している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hitouji K, Takahashi M, Iida M, et al.: "Spatial reference and standing posture during high-speed Coriolis stimulation"Aviat Space Environ Med. (in press). (2002)

  • [文献書誌] 高橋正紘: "トレーニングと空間識"Equilibrium Res. (in press). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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