1.障害されたマウス内耳ラセン靭帯における細胞増殖について 今回、マウス卵形嚢を硫酸ストレプトマイシンにて障害し、マウスの皮下に浸透圧ポンプを埋め込み、BrdUを持続投与した。障害後、一週間および二週間後のマウス内耳のラセン靭帯における細胞増殖について、免疫組織学的にBrdUを同定することにより検討した。その結果、障害されたマウス内耳ラセン靭帯において、細胞増殖が認められ、これらの反応は、内耳の可塑性に関連しているものと考えられた。 2.障害されたマウス内耳ラセン靭帯におけるFGFレセプターおよびコネクシンの発現について 障害された内耳のラセン靭帯において、細胞増殖が認められた部位に、特に、FGFレセプターおよびコネクシンの発現を認めた。このことは、ラセン靭帯における線維芽細胞の細胞増殖にFGFおよびコネクシンが関与していることを示唆する所見と考えた。
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