研究課題/領域番号 |
11671688
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 正志 大分医科大学, 医学部, 教授 (60211314)
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研究分担者 |
茂木 五郎 大分医科大学, 医学部, 副学長 (20035190)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 中耳粘膜 / 咽頭扁桃 / 中耳炎 / 粘膜免疫 / 経鼻ワクチン / サイトカイン / インフルエンザ菌 / ウイルス / middle ear mucosa / Intranasal vaccine / cytokine / Virus |
研究概要 |
中耳炎防御機構としての粘膜免疫応答についてその一端を解明し、中耳炎に対するワクチン療法の有効性とその人への臨床応用への根拠となる知見を得た。 1)中耳炎群では上咽頭のインフルエンザ菌検出率が高く上皮の網状化が強いことから、咽頭扁桃の中耳炎発症に関与するのは肥大度ではなくその炎症程度である。 2)ウイルス感染により上咽頭粘膜レクチンは増強し中耳炎起炎菌の定着や増殖を促進させるために中耳炎が発症しやすい。 3)インフルエンザ菌のエンドトキシンによる中耳炎はIL-1βによるそれと類似しておりIL-1レセプター抗体により抑制され、中耳粘膜上皮はIL-1βを産生することから、中耳炎発症にはproinflammatory cytccineの一つであるIL-1βが深く関与している。 4)未免疫の中耳粘膜にはB-1細胞、γδT細胞、IgA産生細胞・Th2型T細胞が認められ中耳粘膜が粘膜免疫実効組織としての性格を有し、経鼻ワクチン投与により抗原特異的IgAが中耳洗浄液に検出され、中耳粘膜内に抗原特異的IgA産生細胞が見られ、サイトカイン分析から抗原特異的Th2型T細胞が確認されたことより、中耳粘膜が実際に粘膜免疫の実効組織として機能する。 5)経鼻粘膜免疫により中耳腔に注入したインフルエンザ菌の排除が促進され実験的中耳炎の発症を抑制することができる。
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