研究課題/領域番号 |
11671694
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
松根 彰志 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (00253899)
|
研究分担者 |
宮之原 郁代 鹿児島大学, 医学部・付属病院, 講師 (40305131)
牛飼 雅人 鹿児島大学, 医学部・付属病院, 講師 (00284886)
黒野 祐一 鹿児島大学, 医学部, 教授 (80153427)
出口 浩二 鹿児島大学, 医学部・付属病院, 助手 (50315438)
|
キーワード | 血管内皮細胞増殖因子 / 低酸素 / 線維芽細胞 / ケモカイン / マクロライド / 細胞内シグナル伝達 / NFκB / MAPK |
研究概要 |
ヒト鼻茸由来線維芽細胞の培養細胞を用いた研究で、低酸素刺激により血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の産生増加が認められた。しかし、この時IL8やRANTESといったケモカインの産生増加は認められなかった。同じ細胞の培養系を用いた研究で、インフルエンザ菌エンドトキシンの刺激では、逆にケモカインの産生増加は認められるもののVEGFの産生増加は認められなかった。低酸素刺激でのVEGF産生増加に対して、DMSOやアンピシリンは抑制作用を有しなかったが、ロキシスロマイシンやクラリスロマイシン等の14員環系マクロらイドやデキサメサゾン(ステロイド)は抑制的に作用した。低酸素刺激による線維芽細胞からのVEGF産生亢進の細胞内シグナル伝達系に検討で、PDO98059の投与で、Gliotoxinの投与よりも著明に産生が抑制された。これは、VEGF産生の際の細胞内シグナル伝達系が、主にNFκBの核内転移の系よりも、MAPキナーゼのリン酸化経路に依存していることが示唆された。今後は、直接プロモータ領域の検討を行うことによりもっと明確な細胞内シグナル伝達系に関する情報が得られると考えられる。VEGFの生理活性は、血管の増殖であり、透過性の亢進でありいずれも炎症反応には欠かせないものである。今後、上記のようなシグナルのより詳細な検討により、より効率的な制御が可能になると思われ治療への応用が期待される。
|