研究概要 |
慢性副鼻腔炎患者から摘出した副鼻腔粘膜および鼻茸組織の凍結切断を作成し、HLA-DRやCD54,CD80等のcostimulator分子に対する抗体を用いて免疫染色を施し、抗原提示細胞上のcostimulatorの発現を調べた。また摘出した副鼻腔粘膜を栽切後、コラゲナーゼ処理し単核球を分離し、蛍光ラベルしたHLA-DR,constimulator、及びリンパ球側のリガンドであるCD4,CD28,CTLA-4さらにCD25(IL-2R)の抗体と反応させ、フローサイトメトリーでこれら単核球における細胞表面抗原の発現を調べた。その結果、副鼻腔粘膜内のマクロファージは、HLA-DRとcostimulatory moleculesの両者を同時に発現しており、副鼻腔粘膜においては、マクロファージが抗原提示細胞として機能していることが証明された。またマアクロライド療法を施行した症例においては、HLA-DRの発現には変化がないものの、これらcostimulatory moeculesの発現変化を認めた・ さらに末梢血単核球をもちいてin vitroにて単球HLA-DRやcostimulatory moleculesの発現、さらにリンパ球におけるそれらリガンドの発現に対するマクロライドの影響をみたところ、特にcostimulatory molecules発現に対するマクロライドの抑制効果が観察された。
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