研究概要 |
a)気道各部位の線維芽細胞を培養しLPSにて刺激しRANTES、Eotaxin,の蛋白が培養上清に産生、遊離されるかELISA法にて検討した。またRT-PCR法にて線維芽細胞のRANTES、Eotaxin mRNAの表出を検討した。この実験により鼻腔と副鼻腔の間で線維芽細胞のLPSに対する反応性に違いが存在するのか、鼻(鼻腔、副鼻腔)と咽頭〜肺の線維芽細胞の間でLPSに対する反応性の違いが存在するのか検討した。LPS刺激において、RANTESの産生は鼻・副鼻腔ではかなり多く認められたが、咽頭から肺までの線維芽細胞ではまったく認められなかった。LPS刺激で、鼻・副鼻腔の線維芽細胞からEotaxinの産生は認められたが、少量であった。LPS刺激に対する鼻・副鼻腔の線維芽細胞からRANTES産生は、気道において特殊であった。このことは、鼻茸において好酸球浸潤が起る要因の一旦の担っている可能性がある。 b)LPSの他に線維芽細胞を活性化するサイトカイン(IL-1、TNF-α、TGF-β、IL-4)でそれぞれの線維芽細胞を刺激し、どの刺激で好酸球遊走因子(RANTES、Eotaxin)を産生、遊離するか、各刺激に対してそれぞれの線維芽細胞に反応性の違いが存在するか、ELISA法とRT-PCR法を用いて検討した。IL-1、TNF-α、IL-4で気道線維芽細胞から、RANTES、Eotaxinの産生が認められたが、TGF-βでは認められなかった。各部位の線維芽細胞で反応性に違いは認められなかった。PDGFに関しては現在検討中である。
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