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1999 年度 実績報告書

慢性中耳炎石灰化におけるオステオポンチンの役割

研究課題

研究課題/領域番号 11671714
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

阪上 雅史  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10170573)

研究分担者 辻村 亨  兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (20227408)
深沢 啓二郎  兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50278842)
キーワード慢性中耳炎 / 石灰化 / 鼓室硬化症 / オステオポンチン / マクロファージ / 鼓膜 / 鼓室粘膜 / in situ hybridization
研究概要

慢性中耳炎においては、鼓膜・中耳粘膜に石灰化がしばしば見られ、伝音系の障害を惹起している。しかし、中耳腔の慢性炎症が急性憎悪を繰り返した後、中耳粘膜に石灰化がおこる機序についてはほとんど解明されていない。一方、オステオポンチン(OPN)は骨基質蛋白であり、骨形成や耳石などの生理的石灰化や骨折治癒過程、胆石、尿路結石、粥状動脈硬化、乳癌組織などの病的石灰化などに関与すると言われている。今年度は、ヒト慢性中耳炎粘膜にOPNが発現しているかを、免疫組織化学法、非放射性in situ hybridization(ISH)を用いて検討した。現在までに明らかになったのは以下の点である。
1)鼓膜・鼓室粘膜に肉眼的に石灰化を確認した例では、石灰部位に一致してOPN蛋白を認めたが、OPNmRNAの発現は認めなかった。マクロファージの浸潤も認めなかった。
2)肉眼的に石灰化は認めなかったがコッサ染色にて石灰化が検出できた症例でも、石灰化の部位に一致してOPN蛋白を認めた。石灰化部位の周囲にOPNmRNAを発現するマクロファージを含む炎症細胞の浸潤がみられた。
3)コッサ染色において石灰化を検出できなかった症例では、マクロファージを含む炎症細胞の強い浸潤を認め、OPNmRNAの発現はマクロファージに限局していた。
4)以上の所見は、炎症反応より浸潤したマクロファージから分泌されるOPNが慢性中耳炎における石灰化に深く関与していることを示唆するものである。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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