150例以上の原発開放隅角緑内障患者に対してミオシリン遺伝子の全coding regionにわたって、single strand conformation polymorphism 法およびdirect sequence法によって遺伝子へにを検索した。その結果、家族歴を持たない原発開放隅角緑内障患者ではミオシリン遺伝子に変異を持つものはいなかったが、家族歴を持つ原発開放隅角緑内障患者に以前に報告した二家系に加えて、新たに一家系、ミオシリン遺伝子変異を持つ患者が存在した。その変異は以前に報告した二家系のうちの最初の症例である1109番目塩基におけるシトシンからチミンへの変異であり、結果的に370番目のアミノ酸がプロリンからロイシンに変異していた。そのフェノタイプは最初の症例と同様で20才前に急激な眼圧上昇によって発症する若年発症タイプであった。また家族歴のある緑内障患者の血液サンプルを同意のものに集め緑内障家系を集めた。その結果、10数家系の複数の緑内障患者を持つ家系の血液を集めることが可能であった。しかしながら、それぞれの家系構成員が少ないため、連鎖解析を行うには不十分であり、継続的な試料収集を行っている。一方、ミオシリン遺伝子産物の機能解析を行うため、牛の隅角線維柱帯細胞を培養し、それを用いて牛ミオシリンcDNAの完全長cloningを行った。得られた配列によりプローブを作成し、in situ hybridizationによって牛の眼組織におけるミオシリンのdistributionを検討した。
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