研究課題/領域番号 |
11671737
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
前田 直之 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00273623)
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研究分担者 |
井上 幸次 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (10213183)
渡辺 仁 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (60252673)
大黒 伸行 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00303967)
田野 保雄 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80093433)
不二門 尚 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50243233)
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キーワード | エキシマレーザー / 屈折矯正手術 / 角膜形状 / 視機能 / PRK / UASIK / 波面収差 / 不正乱視 |
研究概要 |
今年度の研究としては、まず実験的に、眼科手術が角膜形状および不正乱視に及ぼす影響に関して研究した。豚眼を使用し、3つの条件で強膜短縮術を施行した場合の正乱視と不正乱視の発生状況を、角膜形状解析を施行して調べた。その結果強膜短縮の経線方向、緯線方向のどちらを拡大させても正乱視は増強し、不正乱視は乱視軸が曲線化するパターンを示すことが判明した。臨床における屈折矯正手術の効果予測として、白内障術後の乱視矯正手術に対し多変量解析を施行した。術前の乱視量に関わらず同一術式を施行した場合の乱視矯正効果を調べたところ、使用した7変数のうち、術前の乱視度数と手術の乱視矯正効果の軸ずれが、手術効果に影響していた。すなはち、同一術式を施行した場合でも、被手術眼の形状や手術の施行される部位が異なると結果は異なってしまうこと、逆にこれらを考慮すれば手術の精度が向上することが示唆された。このように、術前の角膜形状のばらつきを調査することが、屈折矯正手術の効果予測に重要であることが示唆されたため、年齢および性差が角膜形状に及ぼす影響を調べた。すると、高齢者においては女性より男性は角膜形状が扁平であり、興味あることにそれは垂直方向で著明で、加齢による倒乱視化は、男性につよく発生する可能性が強いと考えられた。また、角膜不正乱視も高齢者ほど増加するが、性差はないこと、若年者にはこれらについて性差がないことが判明した。 これら角膜形状解析に加え、屈折における不正乱視に対して波面センサーを用いて高次波面収差として解析することとし、われわれが共同開発した波面センサーを用いた波面収差解析の手法を紹介した。次年度は、この装置を用いて正常眼や屈折矯正手術前後について詳細な検討を行い、屈折矯正手術による光学的特性の変化予測をさらに詳細に検討する予定である。
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