緑内障治療薬の薬理作用として眼圧下降だけでなく、網膜、視神経乳頭や脈絡膜における血流や神経保護効果に関する作用も知られている。イソプロピル ウノプロストン(ウノプロストン)はプロスタグランジンF2α代謝産物で、眼圧下降作用を示し、網膜、視神経乳頭部の血管拡張作用や血流増加がある。我々は光照射網膜変性においてウノプロストンの網膜保護効果を検討したところ、ウノプロストンは濃度依存性を持って視細胞保護効果を示した。この作用機序として、眼圧下降も考えられる。そこで、ほかの緑内障治療点眼薬を硝子体に注入し視細胞保護効果について調べた.緑内障治療点眼薬として、ウノプロストン、チモロール、カルテオロール、ニプラジロール、ピロカルピン、ラタノプロスト、塩酸ドルゾラミドを使用した。白色ラットの硝子体に、各種点眼薬5μlを左眼に、コントロール液として燐酸緩衝液5μlを右眼に注入した。注入2日後から一週間連続光照射して、各種点眼液の視細胞変性への変性保護効果を検討した。コントロール眼では、視細胞の内節と外節が消失し、外顆粒層の厚さが減少していた。ウノプロストン注入眼は、視細胞が保存され、外顆粒層も保たれていた。塩酸ドルゾラミド注入眼は軽度の視細胞保護効果を示したが、その他の点眼薬は保護効果がなかった。ウノプロストンと塩酸ドルゾラミド点眼薬を硝子体に注入すると視細胞を保護する。
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