研究課題/領域番号 |
11671763
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
仙崎 英人 関西医科大学, 医学部, 講師 (10206659)
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研究分担者 |
茶山 和敏 静岡大学, 農学部, 助教授 (30260582)
三木 弘彦 関西医科大学, 医学部, 助教授 (30077771)
螺良 愛郎 関西医科大学, 医学部, 教授 (90098137)
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キーワード | Retinitis pigmentosa / N-methyl-N-nitrosourea / Apoptosis / Photoreceptor cell / 網膜変性 / Bcl-2 / Bax / Caspase |
研究概要 |
(1)網膜色素変性症ラットモデルの作製と検索事項 50日齢Sprague-Dawley雌ラットに75mg/kg N-methyl-N-nitrosourea(MNU)を単回腹腔内投与し、視細胞のアポトーシスに起因する網膜色素変性症モデルを作製し、MNU投与後12、24時間、3、7日の時点でMNUによるDNA障害、あるいはアポトーシス実行分子の推移につき検索した。 (2)MNUによる視細胞のDNA障害 MNUにより特異的に生ずるDNA付加体である7-methyldeoxyguanosine(7-medGua)の局在を免疫組織化学的にみると、MNU処理後12、24時間で大半の視細胞核に選択的に認め、以後3、7日で減少した。なお、TUNEL法で標識される視細胞は24時間で最大値を呈し、時間経過とともに減少し、7日にて視細胞もほぼ消失した。 (3)アポトーシス実行分子の発現推移 アポトーシスに対して促進的に働くBax蛋白発現はMNU処理後24時間で最大値を呈し、以後再び減少する。一方、アポトーシスに対して抑制的に働くBcl-2蛋白発現は12時間で最小値を示し、以後再び増加する。また、caspase-3、-6、-8活性はいずれもMNU処置後漸増し、3日目で最大値をとり再び減少する。 (4)視細胞アポトーシスの分子機構 MNUにより視細胞のDNAが選択的に障害され、それに引き続き視細胞はアポトーシスにおちいるが、その分子機構はBax蛋白の発現亢進、Bcl-2蛋白の発現抑制ならびにcaspaseの活性増強が関わっていることが判明した。
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