研究概要 |
ドライアイ眼を実験的に作成するのに,慢性モデルとして,マウスにIL-12,IL-18の同時点眼を10日間おこない,H-E染色にて涙腺,ハーダー腺の変化を観察した.腺組織では白血球の浸潤が見られたマウスは少数であり,腺組織の破壊も観察されなかった.IL-12,IL-18の同時点眼マウスでは腹腔内投与の時のように腺組織の破壊は著明でないことがわかった.しかし,少数ではあるが涙腺に炎症反応を強くおこすマウスが存在するので,この反応がどのような機序でおこるのか,またアポトーシスをおこしているのかは解明する必要がある. このマウスで,血中のサイトカインを計測してみるとIL-12は点眼後持続的に上昇していたが,IL-18は点眼後6日目には上昇していた.このことは,IL-12,IL-18を同時に腹腔内投与したときにも観察されているので,体内にておこっている変化は,IL-12,IL-18同時腹腔内投与と同様のことが起こっていることが示唆される.しかし,腺組織では状態が違っているのは,全身投与と局所投与ではサイトカインの移行に差があるのか,サイトカインネットワークの作用部位が違うことが考えられる.
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