研究概要 |
【平成11年度の目標】 Gene Gunによる遺伝子導入効率の検討 【方法】 実験動物にはさまざまな発達段階のA/Jマウス(胎児から成熟マウスまで)を用いた.導入遺伝子には,CMV promoterにGFP(Geen Fluorescent Protein Gene)とそのPoly Aを着けたプラスミッドを用いた.金粒子には0.6μと1μの大きさのものを用い,ヘリウムの圧力は100〜300psiで実験を施行した.胎児への遺伝子導入は,子宮切開し,胎児の腹部を露出して,皮膚内に遺伝子を導入した.遺伝子の発現は蛍光顕微鏡を用いて皮膚内のGFPの蛍光の発色を観察することで行った. 【結果】 胎児マウスへの遺伝子導入効率:遺伝子導入に最適な条件は,金粒子には0.6μの大きさのものを用い,ヘリウムの圧力を100psiに認定したものであった.遺伝子発現は,ほぼ100%に確認された.遺伝子導入率は,約12%であった.なお,sham operation群と比較して生存率には有意差は認められなかった. 成熟マウスへの遺伝子導入効率:遺伝子導入に最適な条件は,金粒子には1μの大きさのものを用い,ヘリウムの圧力は200〜300psiに設定したものであった. 【結語】 今年度は,Gene Gunによる遺伝子導入が確認されたので,次年度には機能遺伝子(flt-3-ligand,Interleukin 12)の導入を予定している.なお,結果の一部は,平成12年6月日本小児外科学会総会(福岡)において発表予定である.
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