研究課題/領域番号 |
11671785
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
菅原 康志 自治医科大学, 医学部, 講師 (60260494)
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研究分担者 |
丹生 淳史 自治医科大学, 医学部, 助手 (30306120)
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キーワード | 頭蓋縫合早期癒合症 / 骨延長 / 硬膜 / 仮骨 / distraction / osteogenesis / Craniosynostosis |
研究概要 |
頭蓋縫合早期癒合症に対し、gradual cranial vault expansion法が近年行われてきており、良好な結果を得ている。この方法では硬膜の積極的な伸展を行うことになるが、硬膜の伸展が可能であることはすでに実験的に示されているものの、その至適速度、伸展過程での組織学的変化、その後の修復過程など不明な点が多い。本研究では犬に対して頭蓋拡張器を用いた持続的頭蓋骨・硬膜拡大法をおこない、組織学的検索を行った。 頭蓋拡張器は、チタン性の骨延長プレートを作成し、これを骨切り部に縫合固定し用いた。5頭の雑種犬を用い、頭皮切開の後、側頭骨部にコの字型の骨切りを置き、作製した頭蓋拡大装置を頭頂部に装着する。延長用のピン部分を頭皮より出しておき、術後5日目より頭蓋の側方拡大を1ミリ/1日で5日間行い、延長後10、20、30、40日目に標本を採取した。標本は、通常の脱灰を行った後、HE染色を行い延長された硬膜の組織学的観察を行ったところ、10日目より硬膜組織の菲薄化が認められた。同時にリンパ球などの炎症細胞増殖が見られ、これは、40日目まで認められた。骨化は、10日目にすでに見られ、次第に厚さを増してゆき、旺盛な骨化能が示された。 これらの結果より、最終的な実験のプロトコールとしては、先の予備実験と同様のものに、延長後60日目のものを加えて延長後の修復過程の評価対象とする事とした。また、評価法としては、研磨標本を作製し、骨化の過程も同時に検索することとした。
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