研究概要 |
AV shunt loopとAV bundleのどちらが血管新生および組織新生のポテンシャルを有するかについての比較実験を行い、AV bundleにおいても旺盛な血管新生、組織新生が生じることが判明した。そこでrabbitを用いた実験系でAV bundleをvascular carrierとし、これに人工真皮、穴あきchamber、bFGFとを組み合わせてtissue engineering skin flapを作成した。また、臨床応用を目的としてさらに大きな穴あきchamberを独自に作成し、より大きなtissue engineered skin flap (5cmx4cm)を開発することに成功した。Bariumでの血管造影、組織像、走査電顕から、導入血管(Vascular carrier)の静脈からの発芽型血管新生とvasavasorumからの血管新生が生じ、これがchamber孔を通して周囲組織から延びてきた新生血管と吻合し、リモデリングされることによってtissue engineering skin flapを栄養する血管網が形成されたと考えられた。これらの研究成果は第10回日本形成外科基礎学術集会(2001)で発表し、The inaugural congress of the world society for reconstructive microsurgery, Taiwan, 2001ではposter sessionで最優秀賞を受賞した。 今年度は、培養軟骨細胞とDDS(ドラッグデリバリーシステム)にbFGFを組み合わせ、これらを添加した人工真皮を耳型の穴あきchamberにいれ、ここにAV bundleを導入してtissue engineering auricular flapの作成を予定している。
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