細胞増殖因子としてFGF-2を、細胞外マトリックスとしてType1のコラーゲンスポンジを用い、実験の場をin vivoとして細胞を得るchamberモデルを作製し、ここに既存の動静脈血管束を導入して血管柄付き肉芽組織を再生した。組織学的所見から、より大きな肉芽組織を再生するためには血管束からだけでなく、chamberの周囲組織からの細胞誘導を促進することが重要であることが示された。Chamber内の血管網は、周囲組織からchamber内に侵入した毛細血管も認められたが、主に導入血管束からの血管新生によって形成されたことが組織像・血管造影像・血管鋳型走査電顕像で明らかとなった。この組織再生と血管網の形成にFGF-2は有用で、再生した肉芽組織に植皮を追加して皮弁(prefabricated engineered skin flap)を作製し、導入血管束を血管茎として他の部位に移植することも可能であった。 平成14年度は、これまでの実験モデルにDDS(ドラツグデリバリーシステム)を併用し、bFGFの徐放化効果を検討する実験を行った。
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