研究概要 |
1)妊娠後7・8・10・12・13日のWister系ラットにvincristine0.25mg/kg、vinblastine0.25mg/kg、vitaminA150IU/kgを腹腔内注射し、催奇形実験を行った。vitaminA12日投与ラットにおいて小頭症(7.7%)がみられ、vincristine投与による外表異常は8日投与ラット1雄胎仔に無顎症(7.6%)、10日投与ラット1雄胎仔に口蓋裂(9.1%)を認め、8日vitaminA投与ラットで1雌胎仔に口蓋裂(9.1%)を認めた。vinblastine投与群は全く異常胎仔は生じなかった。 2)薬剤を2剤として濃度別発生率を検討(妊娠後10日にvincristine0.25mg/kgおよび0.4mg/kg、vitaminA150IU/kgおよび200IU/kgを腹腔内注射)すると、口蓋裂はvincristine0.25mg/kg群で1例、vitaminA150IU/kg群で2例発症し、vincristine0.4mg/kgおよびvitaminA200IU/kg群では口蓋裂は発症せず、死産が4例あった。 3)硫酸ビンクリスチンvincristine sulfate・vitaminAの濃度をそれぞれ0.25mg/kg、150IU/kgとして、妊娠7・8・10の各時期のWister系ラットに腹腔内投与、胎齢20日に帝王切開により全胎仔を摘出した。口蓋裂形成ラットを10%formalin液にて固定、48時間以内にパラフィン包埋し、前額断方向に5〜10μmの連続切片作成、hematoxylin-eosinおよび免疫組織染色を施した。抗ラットFas-L(N-20)ポリクロナルおよび抗マウスFas(M-20)ポリクロナルを用い(希釈は1:500,100,1:50)、TUNEL法これと相関性を示す抗ssDNAでの検討を行った。各群抗体別いずれもアポトーシス誘導の発現、局在を知ることはできず、口蓋裂完成期のラットにおいてはアポトーシス細胞のDNA切断時期が一瞬で、すでに完了し、組織形態学的にはプログラム細胞死が示唆されるも、陽性細胞出現なしと考えられた。
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