創傷治癒過程において、何らかの要因により、線維芽細胞などを抑制する条件に異常が生じ、肥厚性瘢痕や、ケロイドが形成されると考えられているが、これらの発生原因や治療法に関しては、今だ不明な点も多い。 Transforming Growth Factor(TGF)は、最初、肉腫細胞より産生され、腫瘍の増殖に関する物質として発見された。 また、腫瘍壊死因子(TNF)は細胞傷害活性物質と考えられていた。 現在では各々に、線維芽細胞や他の様々な細胞に対して多様な生物活性を示すことが報告されている。 瘢痕由来の線維芽細胞に対する細胞増殖因子の相互作用としては、それぞれ単独では細胞増殖や、コラーゲン代謝に関して促進作用を示すのに対し、TGFとTNFを併用すると、抑制する作用が見られる。 瘢痕形成における細胞増殖因子の関与と解明する上で、有意義であろうと思われる。
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