研究分担者 |
吉江 弘正 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20143787)
佐藤 尚美 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20018427)
星野 悦郎 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90124619)
奥田 一博 新潟大学, 医歯部・附属病院, 講師 (00169228)
|
研究概要 |
ヒト口腔内の偏性嫌気性グラム陽性桿菌の多くは、その生育に厳しい条件を必要とし、培養が極めて困難であったため、従来の細菌培養方法では検出されないことが多く、長い間その存在や分布は見落とされてきた。 本研究では、厳密に管理された嫌気グローブボックスや新しい細菌検出方法を用いる事によって、ヒト口腔内の種々の感染病巣部位から、これまでの報告に無い、未同定の偏性嫌気性グラム陽性桿菌が、多数且つ多種類生息していることが明らかにした。 それら個々の未同定細菌について、16S-rRNA sequence解析やDNA-DNA hybridization分析を中心とした分子遺伝学的方法を用いて、従来の細菌種との相違を明らかにした。その結果、新細菌属や新細菌種としてCryptobacterium curtulm, Mogibacterium pumilum, Mogibacterium diversum, Mogibacterium diversum, Mogibacterium neglectum. Mogibacterium timidum の6細菌種を提案し、その標準株をAmericam Type Culture Collection(ATCC)へ、その16S-rDNA sequenceはジーンバンクヘ,それぞれ登録を完了した。またこれらの新菌種を特異的に検出するために、16S-rRNA sequenceを用いたspecific PCR primerを構築し、その有効性を確認した。 また、これらの偏性嫌気性グラム陽性桿菌をマウスに投与した場合、T細胞を介する液性免疫及び細胞性免疫が誘発される事が明らかになり、これらの細菌種が歯周疾患の発現に大きく関与している事が示唆された。
|