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1999 年度 実績報告書

咀嚼の神経機構におけるGABA、グリシン作動性ニューロンの重要性の解明(細胞内染色法と免疫電顕法をも併用して)

研究課題

研究課題/領域番号 11671799
研究機関大阪大学

研究代表者

吉田 篤  大阪大学, 歯学部, 助教授 (90201855)

研究分担者 森谷 正之  大阪大学, 歯学部, 助手 (80303981)
永瀬 佳孝  大阪大学, 歯学部, 助手 (50252698)
キーワード顎反射 / 抑制機構 / 三叉神経 / in vivo / ネコ / 細胞内染色 / GABA / 免疫電子顕微鏡法
研究概要

顎反射を抑制する神経機構を解明するため、三叉神経運動ニューロンの受ける抑制性入力の様態を、これまで単一ニューロンの細胞内電位記録法とHRP注入法を用いて検討して来たが、本年度はこれに加え、同時に免疫電顕法を用い抑制性伝達物質であるGABAおよびグリシンを含有する終末神経を標識して、標識三叉神経運動ニューロンへの入力様式を解明した。免疫陽性の神経終末が作るシナプスの連続電顕写真をコンピューターに取り込み、シナプスを電顕的定量解析し、入力様式を検討し、以下の結果を得た。
標識された咬筋運動ニューロンの樹状突起の近位部、中間部、遠位部上にシナプスする、それぞれ175個、105個、279個の軸索膨瘤を観察した。このうちの50%が、抑制性伝達物質であるGABAまたはグリシン陽性であり、48%が興奮性伝達物質であるグルタミン酸陽性であった。この抑制性と興奮性終末の比率は、樹状突起の近位部では60%対37%、中間部では46%対52%、遠位部では44%対53%であった。さらに、抑制性終末の内訳は、9%がGABAのみに陽性で、27%がグリシンのみに陽性で、27%はGABA、グリシンともに陽性であった。これらの結果は、三叉神経運動ニューロンの特徴を示すものである。しかしながら、抑制性シナプスはP型のシナプス小胞を、興奮性シナプスはS型のシナプス小胞を持ち、この点は他の脳神経系と同様であった。以上の研究成果は既に発表している(次項参照)。
来年度は、本年度の成果を発展させ、口腔顔面感覚を中継する三叉神経感覚核、とくに吻側核のニューロンが、顎反射に及ぼす抑制効果について検討する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Bae Y.C.: "Distribution pattern of inhibitory and excitatrory synapses in the dendritic tree of single masseter a-motoneurons in the cat"J. Comp. Neurol.. 414. 454-468 (1999)

  • [文献書誌] Yoshida A.: "Neurobiology of Mastication from Molecular to Systems Approach"Elsevier. 227-240 (1999)

  • [文献書誌] Bae Y.C.: "Neurobiology of Mastication from Molecular to Systems Approach"Elsevier. 245-248 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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