研究課題/領域番号 |
11671803
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
山下 菊治 徳島大学, 歯学部, 助教授 (30182497)
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研究分担者 |
松本 林 徳島大学, 歯学部, 助手 (90116864)
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キーワード | 歯髄細胞 / アルカリフォスファターゼ / オステオポンチン / オステオカルシン / デンチンシアロプロテン / デンチンマトリックプロテイン / II型コラーゲン / MC3T3-E1 |
研究概要 |
近年、米国ケースウェスタンリザーブ大学のカプラン博士たちにより不死化マウス歯髄細胞から数種類の細胞がクローニングされた。これらの細胞をアスコルビン酸およびデキサメサゾン共存下で10%牛胎仔血清を含むα-MEM倍地で培養し、その形態学的変化および遺伝子発現を解析した。その結果、Pulp、PC-1、PC-8、PC-14等のクローニング細胞は各々高いアルカリフォスファターゼ活性を示し、2週間後からは石灰化が検出された。さらに、オステオポンチンとオステオカルシンのm-RNAの強い発現が認められた。しかし、デンチンシアロプロテインやデンチンマトリックスプロテインの発現は検出できなかった。更に、これら数種のクローン細胞をペレットカルチャー法にて培養するとPulp、PC-1、PC-8、PC-18、2PC-21等の細胞において培養2週間後から、軟骨小腔を伴った軟骨組織とII型コラーゲンが検出された。これらの結果から歯髄由来のクローン細胞のいくつかは骨芽細胞にも軟骨芽細胞にも分化できる多分化能細胞であることが明らかになった。しかし、最終的な象牙芽細胞への分化は確認できなかった。ここで、軟骨芽細胞、骨芽細胞、象牙芽細胞を明確に同定するためには、組織染色やm-RNAの発現だけでは不十分で、形成される細胞外マトリックスを直接解析することにより、明確に細胞を同定する新たな方法が必要と考えられる。そこで現在、骨芽細胞であるMC3T3-E1細胞を用いて培養下で形成される細胞外マトリックスの解析をすることにより、骨組織形成細胞としての骨芽細胞の新たな同定法を開発中である。
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