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1999 年度 実績報告書

炎症組織における前破骨細胞の増殖と機能分化:分化制御因子による制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 11671804
研究機関九州大学

研究代表者

飯島 忠彦  九州大学, 歯学部, 教授 (50090874)

研究分担者 永田 健吾  九州大学, 歯学部, 助手 (90189134)
久木田 敏夫  九州大学, 歯学部, 助教授 (70150464)
キーワード炎症 / 骨吸収 / 骨形成 / アジュバント関節炎 / 神経成長因子 / 炎症性細胞 / 免疫組織化学
研究概要

神経成長因子NGFの破骨細胞に及ぼす作用はこれまで殆ど知られていない。ところでアジュバント関節炎ラットでは、距腿関節滑液中のNGF量の増加と脛骨骨髄腔の破骨細胞数の増加が報告されている。今回の課題は、アジュバント関節炎ラットを用いて、NGF増加と破骨細胞増加の因果関係の詳細を明らかにすることを目的としている。免疫組織化学的解析の結果、NGFが腫瘍壊死因子TNF-αを介して破骨細胞の形成やその機能を促進することを示唆する所見が得られた。
アジュバント投与2週間後にラット脛骨の骨髄腔において破骨細胞数の増加が始まり、3〜4週間後にかけて増殖はピークとなる。この破骨細胞数の増加パターンと一致して、骨髄腔に浸潤したT-リンパ球やマクロファージのNGF量が増加した。しかも、両細胞ではNGFレセプター量も増加しており、両細胞においてNGFがオートクリン的に作用し、NGF量の更なる増加を招来したものと考えられる。またNGFやNGFレセプターの増加と連動して、両細胞におけるTNF-α量も顕著に増加した。NGFが免疫系細胞からのTNF-α分泌を促進するという過去の報告を考慮すれば、NGFのオートクリン作用はTNF-αの産生をも促進したと考えられる。また、TNF-α0.01ngを前破骨細胞から破骨細胞を形成する骨髄組織の培養系に添加したところ、破骨細胞形成が明らかに促進された。以上の結果から、アジュバント関節炎ラット骨髄腔での前破骨細胞から破骨細胞への分化は免疫系細胞の産生するNGFやTNF-αの作用によって促進されることが示唆された。次年度は破骨細胞の分化と知覚神経や骨膜表面における骨形成との関わりについて解析を進める。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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