研究概要 |
Porphyromonas gingivalisとPrevotella intermeidaとの共凝集に関与するP.gingivalisの因子について検討を加えたところ、P.gingivalisのrgpAの産物のうちadhesion領域のHGP44,HGP15,HGP17,HGP27の関与が示唆された。そこで、HGP44,HGP15,HGP17,HGP27のDNAのシークンスからアミノ酸のシークエンスに変換しホモロジー検索を行ったところHGP44とHGP17とHGP27においてはYTYVDGTKIKEGKTのホモロジーがあり、また、HGP44とHGP15においてはTIDADGDGHGWのホモロジーがみられた。また、エピトープ解析の結果これらはエピトープの一部なっている可能性も示唆された。そこで、他のHGPの領域と共通領域を多く持つHGP44についてさらに検討を加えた。HGP44のこれらアミノ酸のホモロジーを1つずつもつGST-HGP44FとGST-HGP44Rを発現し、これをGlutation Sepharose4Bビーズに結合させこれにP.intermediaを加え結合性を検討したところ両者共に結合する像が観察された。ついで、HGP44に対するモノクローナル抗体で処理したP.gingivalisのvesicleによるP.intermediaの凝集性を検討したところ弱い阻止しかみられなかった。ことことより結合に関与する部位は複数存在するもと思われた。また、P.gingivalis ATCC 33277の変異株KDP112(rgpA::Em,rpgB::Tc),KDP129(kgp::Cm),KDP136(rgpA::Em,rgpB::Tc,kgp::Cm),KDP98(fimA::Em)とP.intermedia ATCC 25611との共凝集を検討したところ、KDP112とKDP136には共凝集はみられず、KDP129とKDP98には共凝集がみられた。ことことより、rgpA遺伝子の産物が関与し、kgp遺伝子の産物やfimA線毛は関与しないことが確認された。次ぎに、親株とこれらの変異株のhydrophobicityと共凝集の関係を検討したところ共凝集の強さとhydrophobicityとの間には相関性はみられなかった.。以上のことより、P.gingivalisのrgpA遺伝子産物のHGP44,HGP15,HGP17,HGP27は菌体表層でそれぞれが非共有結合で連結し、複合体を形成し複数の部位がP.intermediaとの共凝集に関与しているものと思われた。
|