研究概要 |
唾液腺主導管上皮は線条部導管と同様にイオンの修飾を行い低張の最終唾液形成に関与することが知られている。膵管、胆嚢、気管、肺胞、胃腸域に存在するtuft cellが主導管にも存在している。この細胞の機能に関しては感覚細胞説、吸収細胞説、分泌細胞説が提唱されているが、今だその機能に関しては不明である。数年に渡る研究にり吸収細胞ではないかという考えに至った。直接に分泌能を証明するためにRI物質を投与し、代謝される過程をオートラジオグラフィー法により検討した。(1)投与するRI物質を決定するために各種レクチンに対するtuft cellの染色性を調べた。(2)RI物質を投与し光顕に於いて露出の時間と、投与したRI物質が適当であったか調べた。 【結果】 (1)調べたレクチン:Con A,SBA,WGA,DBA,UEA-I,RCA-I,PNA Tuft cellの細胞頂部の小胞や指状の長い微絨毛は重荷SBAで強く染色された。 SBAの特異的結合糖はGalNAc(N-actylgalactosamine)とGal(galactose)であった。本年の科研費で購入できる範囲でgalactoseを選択した。 (2)光顕オートラジオグラフィー(^3H-galactose取り込み実験) ラット7週齢(体重220g)を3匹使用した。5分後、10分後、40分後に試料を採取した。スライドグラスに標本を取り、乳剤をかけて暗箱に入れ、1〜14週毎取りだし、現像を行い露出時間を決定した。露出時間は14週が適当であったが、投与した物質が適当でなくtuft cellに反応はみられなかった。来年度はN-actylgalactosamineでやる予定である。
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