研究課題/領域番号 |
11671841
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大山 和美 岡山大学, 歯学部, 教務員 (00253021)
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研究分担者 |
中西 徹 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (30243463)
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20112063)
久保田 聡 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90221936)
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キーワード | CTGF / 軟骨細胞 / 遺伝子発現 / 非翻訳領域 / シスエレメント |
研究概要 |
1)転写レベルでの研究:前年度我々は軟骨由来HCS-2/8細胞におけるCTGFの構成的高発現を支えている領域をプロモータ付近、転写開始点から88塩基対上流の約110塩基対長の断片に特定した。本年度はさらにその研究を発展させ、当該領域内にHCS-2/8細胞で機能している転写活性シスエレメント二つを特定した。1つは既に線維芽細胞を用いた研究で報告されているTGF-β response elementであり、もう1つは本研究で初めて見い出された新エレメントである。それぞれに点変異を導入すると、HCS-2/8細胞におけるCTGF遺伝子プロモータ活性は著しく低下し、特に後者に対しては、結合する核内因子がHCS-2/8細胞に特異的に見られる点で非常に興味深い。現在この核内因子の単離同定に向けて研究を続けている。 2)転写後レベルでの研究:前年度我々はCTGF mRNA 3'-非翻訳領域(UTR)内に、84塩基からなる転写後抑制性シスエレメントcis-acting element for structure-anchored repression(CAESAR)を発見した。本年度も引き続き変異体分析を続けたところ、CAESARの機能を決定するのは複数のstem-loopの連結構造であるとの結論が得られてきた。またその作用機構の解明を目指し、細胞内で発現されたレポーターmRNAの細胞内分布をCAESARの有無で比較した。その結果有為な差が見られなかったため、CAESARはmRNAの核外輸出には影響を与えず、翻訳段階で抑制機能を発揮していると考えられる。事実rabbit reticulocyte lysateを用いたin vitro translation実験で、我々はCAESARが3'-UTRにおいてmRNAからの翻訳速度を低下させることを見い出している。現在その他のアプローチでCAESARの翻訳過程における役割を検討しているところである。
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