睡眠時無呼吸が夜間突然死の原因のひとつと考えられており、その発現機序の究明、治療法および予防法の確立が急がれている。睡眠時無呼吸が正常者と比較して顎口腔系機能障害患者に多くみられることから、顎口腔系機能障害との関連が指摘されている。また、睡眠中のブラキシズムにともなって無呼吸が発現することが知られている。本研究は、睡眠時無呼吸の原因をブラキシズムとの関連から究明し、発症機序の解明と治療法および予防法の確立を目指す。今年度は、麻酔動物において無呼吸の誘発条件を確立することを目的とする。 【成果】 1. 麻酔動物において、実験的ブラキシズム様運動を引き起こす脳の部位は、ブレグマから吻側方3.0mm、側方4.0mm、深さ2.0mmの位置であった。 2. 麻酔動物において、この部位の刺激によるブラキシズム様運動は無呼吸を発現しなかった。 3. 麻酔動物において、両側咬筋を直接電気刺激してブラキシズム様運動を起こした場合、無呼吸は発現しなかった。 4. 無呼吸を発現する脳の部位はparabrachial regionであった。 現在、parabrachial regionに刺激電極を埋め込んだモデル動物を作成しているところである。
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