<平成11年度> 麻酔動物において無呼吸を誘発する条件を検索した。麻酔動物において、実験的ブラキシズム様運動を引き起こす脳の部位は大脳皮質顎運動領域A-areaであった。しかしながら、この部位の刺激によるブラキシズム様運動は無呼吸を発現しなかった。無呼吸を発現する脳の部位はparabrachialregio11であった。 <平成12年度> 脳波パターンを指標にして麻酔動物での睡眠状態を再現した。ハロセン麻酔の濃度の増加(麻酔深度の増加)とともに脳波の振幅は大きくなり、パワースペクトルはδ波成分が優勢となった。δ波成分の割合が睡眠時と同じになるハロセン濃度は1.5と2.0%であった。 <平成13年度> 顎口腔系の感覚・運動機能に対する脳からの下行性調節機序について検討した。青斑核の活動が三叉神経支配領域の感覚・運動機能を抑制した。このことは、青斑核の活動がブラキシズムを抑制するという可能性を示唆する. 吸息神経活動と三叉神経運動ニューロン活動との協調機構について検討した。吸息活動に同期する運動性三叉神経活動を指標として三叉神経運動核を光学的電位測定法を用いて観察すると、神経活動と同期した三叉神経運動ニューロン活動が観察され、下部脳幹における呼吸活動と三叉神経運動ニューロン活動とが深く関係していることが明らかとなった。
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