研究課題/領域番号 |
11671864
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
鈴木 誠 新潟大学, 歯学部・附属病院, 講師 (50107778)
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研究分担者 |
依田 浩子 新潟大学, 歯学部, 助手 (60293213)
大城 和文 新潟大学, 歯学部, 助手
程 くん 新潟大学, 歯学部, 助教授 (40207460)
木村 信 新潟大学, 歯学部, 助手 (80251825)
朔 敬 新潟大学, 歯学部, 教授 (40145264)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 細胞外基質 / ヘパラン硫酸プロテオグリカン / ファイブロネクチン / インテグリン / 腺様嚢胞癌 / in-situハイブリダイゼーション / ACC3 / 選択的スプライシング |
研究概要 |
唾液腺癌腫では口腔粘膜癌と異なり、前癌病変があることは考慮されることはなかった。そこで、本研究では唾液腺腫瘍の発生要因の解明のために、唾液腺前癌病変の疾患概念を明確にすることを目的とした。 はじめに、もっとも高頻度な唾液腺良性腫瘍の多形性腺腫に注目して種々の検討を行なった。まず、多形性腺腫の適切な診断を下すための条件として、口蓋生検部位と診断成功率を検索した結果、腫瘍の後方・口蓋正中側からの生検は失敗率が高く、前方・歯肉側からのアプローチで的確に腫瘍組織を採取できていることが判明した。 つぎに、多形性腺腫の被膜浸潤様式を病理組織学的に検討した結果、被膜侵襲にはその程度が軽度な局所膨張型から浸潤性の高い被膜内浸潤型、ならびに被膜断裂型の三型があり、検索したすべての症例においてこれら三型のいずれかの被膜侵襲をともなっていることが判明した。したがって、多形性腺腫は増殖は比較的緩慢で良性腫瘍とみなされているものの、被膜侵襲や乏血管性基質等の特異的性格から、準悪性あるいは前癌性の病変として臨床的に対応する必要があるとかんがえられた。 さらに、多形性腺腫内に顕性癌の前段階とみなすべき病巣、すなわち大型異型細胞集族を巣状癌と判断し、巣状癌を中心にp53遺伝子のエクソン5-7について塩基配列を解析したところ、多形性腺腫症例に共通する明らかな遺伝子変異はみいだされなかった。しかし、免疫組織化学的にはp53遺伝子産物の過剰発現が確認されたことより、さらにパラフィン切片から異型細胞を選択的してDNAを抽出するなど感度を向上させる必要が示唆された。 つぎに粘表皮癌およびワルチン腫瘍において同様に検索したところ、ワルチン腫瘍ではp53遺伝子蛋白質陽性およびその異常はみとめられなかった。粘表皮癌では、異型細胞ほどp53遺伝子産物の過剰発現傾向があり、p53遺伝子の変異も高頻度にみられた。以上の結果により、良性腫瘍とされているものの多形性腺腫には粘表皮癌同様の異型細胞においてp53遺伝子異常が存在することが明らかとなった。 したがって、多形性腺腫は前癌病変として、あるいは腺腫-腺癌シークエンスによる唾液腺癌の発生機序として重要な病変であることが判明した。
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