研究概要 |
口腔領域画像診断の卒前・卒後教育の充実を目標として、試験運用を行っている画像診断ティーチングファイルの価値を高めることを目的として、以下のような検討及び改良を行った。平成12年度の研究計画に基づく実績は以下の帳りである。 1,ティーチングファイルの構築と改良のためには症例の蓄積が必須である。徳島大学歯学部附属病院では過去5年間来院していない患者の検査画像に対しては教育・研究用の資料として歯学部に移管することとなった。移管に際し、各画像のチェックを行い、保管状況をデータベース化することによりフィルムライブラリを構築した。現在までにフィルムライブラリ該当症例は3万件を越えており、将来的な検索やファイリングシステムの導入に対応するために、パノラマエックス線画像を中心として順次デジタル取り込み、DICOM3.0形式での保管を計画している。この場合、高品位の画像取り込みが可能となるレーザーフィルムスキャナの導入が望まれる。 2,一般の電話回線による閲覧を試みた(54kbps)が、十分な画像品質を有する容量のファイルではダウンロードに非常に時間を要するため、オンライン閲覧が適さないことが判明した。そのため、学外での利用はファイルをCD-Rにコピーし配布することによって閲覧が適すると考えられた。 3,CD-Rの容量は現状で700MB程度であり、ティーチングファイル症例数の増加に伴い、CD-Rでは容量不足が将来的に危惧される。そのため、DVD-RAMでの配布が有効になると考え、試験的に実施した。現状での汎用性を考え、メディアは片面2.6GBで、ケースから取り出し可能なTypeIIのものを利用した。その結果、DVD-RAMからの直接読みとりではアクセス速度が限られるために操作性が阻害されることがわかった。これに対しては、DVD-RAMの情報をハードディスクにコピーすることにより改善された。
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