研究課題/領域番号 |
11671872
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
泉 雅浩 長崎大学, 歯学部・附属病院, 講師 (40212956)
|
研究分担者 |
筑井 徹 九州大学, 歯学部, 助手 (10295090)
角 美佐 長崎大学, 歯学部, 助手 (90284702)
米津 康一 長崎大学, 歯学部, 助教授 (70167039)
中村 卓 長崎大学, 歯学部, 教授 (30172406)
高木 幸則 長崎大学, 歯学部, 助手 (30295084)
|
キーワード | HAM / 唾液腺 / 口腔乾燥症 / HTLV-1 / MRI / シェーグレン症候群 |
研究概要 |
HAM患者における唾液腺の変化を促える目的でHAM患者31名、HTLV-I 陽性かつHAM陰性シェーグレン症候群患者15名、およびHTLV-I 陰性シェーグレン症候群患者41名を用いてMRI、超音波及び唾液腺造影法による画像診断を行った。31名のHAM患者中、シェーグレン症候群用症状を伴った者は12名(全体の39%)であり、このうち11名(92%)において、耳下腺、顎下線は共に画像上正常像を呈し、シェーグレン症候群に典型的な変化を認めなかった。典型的なシェーグレン症候群患者(HAM陰性)においてはMRIによる大唾液腺と口腔乾燥症の重症度とはよく一致することが知られている。しかしながら、HAM患者における口腔乾燥症の程度は、MRIにおける画像所見を基準にして得られた重症度と一致しなかった。 次に、これらHAM患者の唾液腺での変化を解明するために、患者の口唇腺より得られた生検材料にて病理組織学的検討を行った。その結果、HAM患者の唾液腺では、典型的なシェーグレン症候群患者(HAM陰性)のそれと比べて、単球の浸潤の程度が低く、MRIで認められた画像所見と一致していた。 以上の結果より、これら患者群の血清学的データと考え合わせると、次のように結論できる。すなわち、HAM患者に発症するシェーグレン症候群様の口腔乾燥症は、典型的なシェーグレン症候群とは全く別のメカニズムで生じている可能性があるということである。
|