研究概要 |
抗原としてOvalbumin(OVA)を用い径粘膜投与した場合,高齢マウスでは粘膜領域において抗原(OVA)特異的IgA免疫応答に明らかな低下を認めた。さらに,T細胞非依存性抗原に対する応答について検討したところ,加齢群ではLPS特異的IgM免疫応答に高い傾向を認めたが,LPS特異的IgA免疫応答に差は認められなかった。T細胞依存性抗原とT細胞非依存性抗原による加齢マウスの免疫応答の差については,第48回国際歯科学会日本部会にて"LPS-Induced Salivary Innate and Adaptive Immunity in Aged Mice"と題して報告した。さらに,LPSの免疫によるTLR2,TLR4遺伝子発現の分子生物学的検討については,第79回国際歯科学会にて"Toll-Like Receptor Expression in Mouse Salivary Glands"および"CD40 Ligand Is Essential for LPS-Induced IgA Responses"と題して報告した。 齲蝕予防をめざした経鼻免疫ワクチン開発に関する研究では、Streptococcus mutans I/II antigenと粘膜アジュバントであるMutant Cholera toxin(mCT)を用いて検討を行った。Protective Immunity to Streptococcus mutans Induced by Intranasal Surface Protein Antigen and Mutant Cholera Toxin Adjuvant,J.Infect.Dis.,183(5):823-6,2001."に誌上報告し,mCTとI/II antigenを併用した経鼻免疫が,齲蝕予防に有効であることを報告した。
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